Q4. ゼオライトのイオン交換能?

Q4.

ゼオライトは、構造中にSiO4およびAlO4四面体(以下両者をまとめてTO4四面体と呼ぶ)が頂点酸素を共有し3次元に無限に連なった網目状構造を有する結晶性含水アルミノケイ酸塩です。
このTO4四面体の結合形式により3次元網目構造の隙間に様々な形状のミクロ細孔が存在しており、この空隙に結晶水(吸蔵水)、陽イオンが取り込まれています。結晶水を含んだゼオライトは安定ですが、脱水することによりゼオライトは強い吸着力を示し吸着剤として利用が可能です。また、T原子の全てがSiであるケイ酸塩であれば電気的に中性ですが、Si4+の一部が低原子価原子であるAl3+で同型置換されているため負の電荷が生じます。その電荷を中性に保つため、Al近傍に陽イオンとしてアルカリ、アルカリ土類金属あるいは有機カチオンが存在します。ゼオライト中の陽イオンは比較的自由に結晶細孔内を移動できるため、液相中で可逆的にイオン交換することが出来ます。
このイオン交換特性を用い、農林水産分野や家庭用合成洗剤の洗浄力を高めるためのビルダーとして応用されています。


(図 イオン交換能)